現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その4 作者紹介「西村一幸」
“主観と客観の差異についての問いかけ”
NO-MAの2階の畳の間では、鮮やかな色彩で描かれた、うねりを帯びた有機的なフォルムの絵が出迎えます。マンゴーのようでもあり、イソギンチャクのようにも見える不思議な形のその絵は、西村一幸さんの描いた≪ピラカンサ≫です。
ピラカンサとは、秋に果実を実らせる植物で、よく街路樹などに植えられています。と …
イベントレポート
夏休みお絵描きワークショップ「誰かの誰かを描こう!」
8月3日(土)、夏本番の近江八幡で、企画展「忘れようとしても思い出せない」にちなむ、夏休みお絵描きワークショップ「誰かの誰かを描こう!」を開催しました。
講師は田中秀介さん。「忘れようとしても思い出せない」にご出展いただいている作者の方です。
カンヴァスに描かれた作品の画題となっているのは、いずれも田中さんがその目で目の当たりにした光景です。思わず、日常的な瞬間ではあるのですが、思わずハッとする力強い形との出会いを感じる田中さんの作品は、NO-MAの1階で見て …
現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その3 作者紹介「岡部亮佑」
“複雑な発想の経路を味わう”
NO-MA1階中央には、黒い壁を5か所設置しています。展示しているのは、非常にミステリアスな岡部亮佑さんの作品。
中でも、本展のチラシなどのメインビジュアルにもなっている、赤い服をまとった女性はミステリアスでありながらも、魅力的な存在です。この女性は、岡部さんの絵の中に、時には立ち姿で、また時には座り姿 …
現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その2 作者紹介「齋藤勝利」
“ヴィデオメモリー”
NO-MA一階の前庭側に展示しているのは、山形県の齋藤勝利さんの作品です。
齋藤さんは生まれつき耳が聴こえず、聾学校に通っていました。遠足などでバスに乗った時、風景がよく見える席は、彼の特等席となっていたそうです。そこで彼は窓から目の当たりにした風景をスケッチブックに描いてきました。連なる山々や、走る路面、行きかう自 …
現在、NO-MAで開催中の展覧会「忘れようとしても思い出せない」に合わせて、担当学芸員のエッセイを連載します。既に展覧会にご来場の方も、まだの方も、本展の見どころや裏話をご紹介する記事をお楽しみに。
その1「忘れようとしても思い出せない」というタイトルについて
本展タイトルの「忘れようとしても思い出せない」という言葉は、もともと夫婦漫才師「唄子・啓助」の鳳啓助のジョークの1つでした。赤塚不二夫もこれを気に入り、バカボンのパパのギャグとして用いています。
この言葉をはじめて知ったとき、不思議と切ない気持ちになりました。なにかとても大切なものがあるのだけれど、それにはもう手が …
一緒に展覧会を作り上げてくれる3通りのサポーターを募集中(7月22日(月)締め切り「会場ボランティア」締め切り延長)
※「キュレーションサポーター」、「NO-MA記者クラブ」の募集は終了しました。
ご応募ありがとうございました。
※「会場ボランティア」の受付を延長します。
ご応募お待ちしております。
この秋、NO-MAと近江八幡市の歴史ある町屋など、複数の会場で開催する展覧会を共にに作る3通りのサポーターを募集します。
本展は、「“ボーダレス・エリア近江八幡”をみんなで作るプロジェクト※」と題して、地域の方や学生さんなど様々な人たちと一緒に …
本展をご覧になられた方は既にお気づきだと思いますが、ときどき展では、赤、黄、オレンジ、青、黒などの壁が要所で使われています。インドネシアでのTOKIDOKI展では、はたよしこの言葉を展示した赤い壁と、インドネシアと日本が歩んだTOKIDOKI展までのプロセスを展示した黄色い壁がありました。本展ではさらに色の壁を増やし、全体を通してより一層カラフルに仕立てています。
(ときどき展 展示風景)
その理由は、それぞれのセクションごとに空間に変化を生み出すためということもありますが、カラフルということがインドネシアらしさを表現する一つであるということがあります。
インドネシアの市 …
ときどき展では、3名のインドネシアの作者の作品を展示しています。
二階のドゥイ・プトロの展示空間は、出展作家の北澤潤さんがディレクションを手がけています。彼を皆はパク・ウィと呼びます。「パク」というのはインドネシア語で目上の男性に対する敬称で、「ウィ」はドゥイの「ゥイ」の部分から取っています。
彼の鳥の作品群を展示している床の間には、同じ鳥のシリーズのコピーが入った木箱が置かれています。このコピーは手にとってご覧いただけます。実はこれは、彼の弟で制作のサポートをしているナワ・トゥンガルさんが彼の作品を展示する際の形式のオマージュなのです。(実際は、もっと膨大な量の作品が厚みをもってドサッと …
【アートディレクター はたよしこが紡いだ言葉】
NO-MAに入ると、鮮やかな赤い壁がときどき展に来てくれた人々を出迎えてくれます。そこには、はたよしこの「ボーダレス・アート」を巡るメッセージが書かれており、本展の見どころの一つとなっています。2018年10月にインドネシア国立美術館で開催されたTOKIDOKI展でも一際目を引いたこの展示は、NO-MAの精神性を国境を越えて伝える役割を担っていました。
入り口からインパクトのある赤い壁が見える
NO-MAでは開館以来、この「ボーダレス・アート」という視座を通して、展覧会を企画してきました。「ボーダレス・アート」は、展示のあり …
【「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画(案)」に関する意見募集の実施について】
文化庁のホームページに、「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画(案)」に関するパブリック・コメント(意見公募手続)の実施についてのお知らせがありました。
以下、文化庁ホームページより今回のパブリック・コメントの趣旨を転載します。
今般,「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」に基づき,学識経験を有する
者によって構成する「障害者文化芸術活動推進有識者会議」の意見を踏まえつつ,文化庁,厚生労働省,経済産業省等の関係行政機関の職員による「障害者文化芸術活動推進会議」に …