ボーダレスアートミュージアム NO-MA 障害の有無を超え、作品を通じて人が持つ表現のエネルギーが交差する新しいスペース

展覧会情報

秋の特別企画展
快走老人録−老いてますます過激になる−

展覧会情報一覧

宮間英次郎作品「帽子」       (チラシデザイン 西岡 勉)
これまでの展覧会
2006年9月16日(土)〜11月15日(水)

■企画趣旨
 この展覧会は老化することが弱者になる、または枯れて物分かりがよい好々爺になるといった、介護する側にとって都合のよいある種「理想の老人像」という一定のイメージに押し込めようとする社会通念に対し、異議を提示しようとするものです。
 老化することが、エネルギー量の減少というマイナス方向のベクトルをもつのではなく、逆にありのままの余生を爆発させ、時には若い頃より過剰に過激に自己表現のボルテージを上げて花開かせる、そんな力にスポットを当ててみたいと考えます。
 本企画展では、既成の有名無名や障害の有無にこだわることなく、作家を選定します。それは、人の持つ表現力は様々な社会的な枠を超え、「自己が生きる」というその態度を、ありありと伝えることができると思うからです。
 高齢化社会とか老人介護福祉という問題が、様々な試行を実施しようとしている現在、「人間の表現」や「アートの力」という視点から、新たな方向性の思考に一つのヒントを促すことが出来ればと思います。
 人間の持つ底力を雄々しくそして爽快に、鑑賞する人々に元気と勇気を与える展覧会になることを希求いたします。
               *アートディレクター はた よしこ


■関連イベント
 ★トークイベント@「老人ホームに音楽が響く」
       〜お年寄りと作るユニークな音楽〜     
 ・日時:9月17日(日)午後2時〜3時30分
 ・場所:野間清六邸(ギャラリーNO−MA向かい側)
 ・語り手:野村 誠(音楽家)

 ★トークイベントA「珍日本紳士録」
 〜わが道をばく進するアウトサイダーおじいちゃん〜 
 ・日時:10月7日(土)午後2時〜3時30分
 ・場所:野間清六邸(ギャラリーNO−MA向かい側)
 ・語り手:都築響一氏(写真家)

 ★トークイベントB「江戸の老人力」
       〜若沖、北斎、鉄斎を語る〜
 ・日時:10月28日(土)午後2時〜3時30分
 ・場所:野間清六邸(ギャラリーNO−MA向かい側)
 ・語り手:辻 惟雄(美術史研究家)


■出 展 者
塔本シスコ・三松正夫・小幡正雄・林田嶺一・河野咲子・宮間英次郎・上岡安胤

■開催期間
2006年9月16日(土)〜11月15日(水)
月曜日休館(祝日の場合は開館いたします)
開館時間午前11時〜午後6時

■開催場所
・第1会場:ボーダレス・アートギャラリーNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町上16)
・第2会場:旧吉田邸(滋賀県近江八幡市多賀町・日牟礼八幡宮側)

■観 覧 料  
@1会場のみ 一般200円 高大生150円 中学生以下無料
A2会場共通 一般300円 高大生250円 中学生以下無料

■主  催
社会福祉法人滋賀県社会福祉事業団 ボーダレス・アートギャラリーNO-MA
(ギャラリー 電話/FAX 0748−36−5018)

■後  援
滋賀県、滋賀県教育委員会、近江八幡市、近江八幡市教育委員会

■協  力
三松正夫記念館、(社福)大木会もみじ寮、(社福)くすのき会ひふみ園、
NPO法人しみんふくし滋賀、江別市セラミックアートセンター

作家作品情報

■第1会場:ボーダレスアートギャラリーNO−MA
○三松正夫(北海道壮瞥郡)
 1888年生まれ。1977年89歳で死去。洞爺湖畔の町で郵便局長をしていた三松は、第二次世界大戦の最中に突如噴火により誕生した、「昭和新山」の生成の一部始終を、少年期に習い憶えた日本画で丹念に描き続けた。人から「火山きちがい」と呼ばれながらも、火口を見たい、記録したい一心で、危険きわまりない活動中の火山に登り続け、描いた作品は徹底した自然観察に基づく不思議な迫力に満ちている。
遺族によって作られた「三松正夫記念館」の貴重な日本画作品を展示。

○林田嶺一(北海道札幌市)
 1933年生まれ。73歳。旧満州国で生まれ育ち、父の仕事により少年時代を満州、上海、大連などで暮らした。当時、日本帝国軍が夢想した仮想国際都市の混沌を、長く封じ込めて来た身体の記憶として、40歳代の頃から描き始めた。敗戦の日本に引き上げ北海道の地にたどり着くまでの、長大な記憶のロードムービー絵画。老人によるとは思えないそのポップアートはキリンアートアワードで優秀賞を受賞し(2001年)突如脚光を浴びた。
当時のポスター広告、雑貨などを使ったコラージュや半立体の板絵作品を展示。

○上岡安胤(高知県宿毛市)
 1924年生まれ。82歳。40歳代頃から精神を患い、入退院を繰り返していたが、現在は脳梗塞により、老人施設で安静第一の生活を送る。様々な労働にいそしんだ後精神を病み、50歳代から70歳代の頃書き貯めた、妄想の絵日記が50冊以上ある。ボールペンの強い筆圧と赤系の色鉛筆で塗り込められた絵からは枯れ切れぬ情念の熱さがありありと伝わってくる。
ノートと絵画を展示。

■第2会場:旧吉田邸(近江八幡市多賀町・日牟礼八幡宮近く)
○塔本シスコ(大阪府枚方市)
 1913年生まれ。2005年92歳で死去。50歳を過ぎてから、画家である息子の使い残した油絵の具を使って、独学の絵を描き始めた。少女の頃の記憶や、身辺の人々、大切に育てている庭の植物などが混在したダイナミックな油彩画ナイーブアート。その留まるところを知らない旺盛で開放的魅力の作品は人づてに知られ、多くの個展が開かれていた。
100号〜30号油彩、ペン画絵日記、などを展示。

○小幡正雄(神戸市)
 1943年生まれ。63歳。若い頃は労働者として各地を転々とし、中年になって神戸の山の中にある知的障害者入所施設に入った彼は、給食室などから拾い集めた段ボールに夜な夜な絵を描き始めた。彼の人生には縁のなかった男女の結婚式や家族をテーマにした作品が多い。今年63歳になり、少し痴呆も出始めているが、一層旺盛な制作活動を続けている。
2000点近くに及ぶダンボール絵の中から、今回数十点を展示。

○河野咲子(滋賀県湖南市)
 1945年生まれ。61歳。若い頃から知的障害者入所施設で暮らす彼女は、仕事として織物など糸や布を手にしていた。いつのほどにか布の人形を作るようになり、モチーフは身近な知人から不特定な人にいたるまで、すべて女性性体である。200点近い裸人形はいずれも手の指紋や皺までが刺繍によって表され、あたかも友人を一人づつ増やしていくようなおおらかな幸福感に満ちている。
作られた裸人形の全数を展示。

○宮間英次郎(横浜市寿町)
 1934年生まれ。72歳。建設業の労働者として、関西〜関東を渡り歩いた彼は、現在横浜のドヤ街、寿町の賃借宿の三畳間に住みながら、拾いモノアートにいそしんでいる。それらを使い大きく派手な帽子(?)を作り、中華街や原宿あたりでパフォーマンスを繰り広げ、若い人たちに人気を博している。「みんな寂しがりやだからね。いろんな人に元気をあげて、おじさん(自分のこと)も元気になりたい。今が一番楽しいね」と照れながらの彼の弁。
おじさんのパフォーマンス風景や生活を撮った映像と、帽子作品を展示。


★第2会場の位置が確認できます


三松正夫作品

林田嶺一作品

上岡安胤作品

小幡作品(左)・塔本作品(右)

河野咲子作品

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●ボーダレス・アートミュージアムNO-MA: 滋賀県近江八幡市永原町上16 TEL:0748-36-5018 FAX:0748-36-5018
●社会福祉法人滋賀県社会福祉事業団企画事業部 TEL 0748-31-2481 FAX 0748-31-2482
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