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Jun

08

「対話の庭」鑑賞プログラムⅡ「作品をみる、かんがえる、はなす、きく」

カテゴリー: NO-MA 展覧会情報, ブログ |

対話を通した鑑賞とは、みる・かんがえる・はなす・きくという4つのことを基本としながら、みる人同士の対話を通じて作品の理解を深めていくための鑑賞方法です。

NO-MAは、障害のある人の表現活動を一般のアーティストの作品と共に鑑賞していただくことで「表現することの普遍的な力」を感じてもらうことを目指してきました。
障害のある人が作る作品のなかには、近年、アール・ブリュットとして評価を受けるものが多くあります。アール・ブリュット作品は、言葉では言い表せないようなエネルギーを秘めており、そのエネルギーに出会った時、私たちはただ圧倒され、鳥肌が立ち、自分の価値観が崩れていく感覚を味わうことがあります。これらの表現の根源とどのように出会うか。出会ったあと、どう自分の中に落とし込んでいくのか。私たちはNO-MAらしい鑑賞プログラムを皆さんとともに作っていけたらと思っています。

さて、今回は学芸員の木元聖奈がファシリテーターを務めました。
作品鑑賞では、作家の名前など情報が一切ない状態で複数の作品を見て、その中から「好きな作品」2点が参加者によって選ばれました。その1つが、沢井実さんのパンダが描かれている作品です。



「パンダのおなかの白い部分に〈かさ〉という文字が透けて見える」
「描き方の違いで、一枚の絵のはずが何層にも重なって出来ているように感じる。」
「一見かわいらしい絵だが、よく見ると、パンダの背中を覆うように大きな生き物がいる。顔は鳥で身体は龍にみえる。不穏な感じ。」
個々のつぶやきを糸口に、それぞれの思いや印象が繋がって、どんどん対話が弾みました。はじめは、漫然とかわいいとだけ思っていたパンダが、その奥には、何か深い世界が広がっているのではないかと、皆さん感じ取られたようです。
さらに鑑賞を続けると、「何が描きたかったんだろうか。」、「色々な解釈ができるから、混乱する。」など迷路にはまった感覚に陥りました。
ここで、木元ファシリテーターより、「文字が書いてありますね。」と一言。
「個人賞」「五木ひろし」といったユニークな文字や曲のフレーズのような言葉が、ほとんどの作品に描かれていることに気づきます。「好きな曲かもしれない。」、「作家の願望ではないか。」などなど、また白熱した対話がはじまりました。
想像力をたくましくすることで、作者に寄り添うことができ、また、一人で鑑賞するよりも、たくさんの気づきや発見があることを体感していただけたのではないでしょうか。



対話を通した鑑賞は、思いを言葉にし、他者の話に耳を傾け、自分を深く見つめ直すことで、美術鑑賞のツールとしてだけではない、コミュニケーションの広がりを感じさせます。

「展覧会をもっと楽しみたい。」、「自分を見つめてみたい。」と思っている方、
NO-MAの鑑賞プログラムにぜひ遊びに来てください。


学芸員W

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「対話の庭」鑑賞プログラムⅡ
「作品をみる、かんがえる、はなす、きく」体験レポート
2013年6月8日(土)13:30~15:00 ファシリテーター:木元 聖奈
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