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ラジオ番組「Glow生きることが光になる」6月第4週「“障害”観を編みなおす実践 〜見沼田んぼ福祉農園をきっかけに〜」猪瀬浩平さん 後編

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先週に引き続き、明治学院大学准教授、猪瀬浩平さんにお話しを伺います。見沼田んぼ福祉農園を通じた新たなコミュニティづくりということ、障害のある人の表現活動の可能性など、今週も幅広くお話いただきます。


 猪瀬浩平さん

見沼田んぼ福祉農園では、障害のある人と地元の人、都市部の人、学生など様々な出会いや出会い方の編み直しがされています。そもそも「障害者」という括りは、農村がどんどん都市化していく過程で障害生まれてきたのではないかと指摘します。
埼玉を例にとると越谷、春日部の地域は、以前は綿繰りをする、ザリガニを捕るというような仕事があったが、様々な機械ができ、作物も特化されていくことで、仕事ができる人だけの仕事となり、障害のある人はできていた仕事がなくなり「穀潰し」のような扱いになってきたのではないかと。都市化、近代化のなかで障害のある人が「障害者」になっていく。そのことについて、運動を起こして改めて障害のある人を町に出していくのではなく、そもそも共にあった姿を考えるべきではないかと言います。

そんな猪瀬さん、障害のある人の表現の可能性に関心を持ったきっかけは、橋本克己さんとの出会いだそうです。肢体不自由で耳も不自由、弱視でもある橋本さんは、車椅子で道路で走る⇒渋滞が起こる⇒怒られるというような様子を絵日記にしているそうで、既に本も2冊出しているそうです。人が本来持っている表現したい気持ちが引き出されている感じがし、背景にその場所の風景や匂いがあるように感じられるそうです。
障害のある人を取り巻く様々な文化実践をみていて思うのは、自分の表現欲求を掻き立てられるということだそうですが、「障害のある人だからといって表現の才能はないぞ」といまも思っているそうです。猪瀬さんには障害のあるお兄さんがいらっしゃいますが、その気持ちは常にお兄さんと競ってきたことに起因するそうです。(ここからラジオ本編では、お兄さんがある年の正月に一時所在不明になったという出来事が、不思議なオチとともに語られます)

猪瀬さんは『むらと原発』(2015/農文協)という本を出されています。高知県の原発計画が8年の時を経て、白紙撤回されたという内容です。
今回のトークで紹介された見沼田んぼ福祉農園は、農業を通して新たなコミュニティが生まれていますが、そもそもの農村のあり方とコミュニティを考えると、お互いの強固な区分を持ちつつも、同時に障害がある人が障害のあるまま働いているということがあったことは前出のとおりです。
そのような「むら」を国はどう見ているか?国家が、自分たちのスピード感に「むら」を巻き込んでいると言います。本来は、そのスピードに乗らなくてもいい関係性なのに、早い決定が求められている政治のなかで、そうではない関係性を示したのが、この高知の窪川町だそうです。時間かけて「ウダウダ」やって、認め合ったり合わなかったりする中で、折り合いをつけていくという方法もあるということは、今後のコミュニティを考える上で重要なことだと教えてもらいました。


放送をお聴き逃しの方、カバーされていないエリアにお住いの方も是非Podcastからお聴きください。(音声は、放送後の翌週火曜日に更新されます)

次週は6月18日に開催された、魲万里絵展オープニングトークの様子をお届けします。7月1日(金)21:30~21:55 KBS京都ラジオです。

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